紳士の気品をまとうラグジュアリークーペ

大人のためのクルマがあるとしたら、大型のクーペをおいて他にはない。それを実感させてくれるのが、BMWの新型8シリーズだ。眺めてよし、乗ってよし、のすばらしい出来である。家族や仲間で集い、優雅で贅沢な時間を過ごせる日本初の本物のカントリークラブにも、よく合う雰囲気を持った一台だ。

Photo TONY TANIUCHI Text Fumio Ogawa

大人のためのクルマがあるとしたら、大型のクーペをおいて他にはない。それを実感させてくれるのが、BMWの新型8シリーズだ。眺めてよし、乗ってよし、のすばらしい出来である。家族や仲間で集い、優雅で贅沢な時間を過ごせる日本初の本物のカントリークラブにも、よく合う雰囲気を持った一台だ。

BMW 8シリーズ クーペ外観
エクステリアに描かれたその妥協なきこだわりが、BMW 8シリーズ クーペにパーフェクトな外観をもたらしている。クルマに乗り込みエンジンをかければ、モータースポーツの遺伝子を呼び覚まし、アスリートの気質が顔を出す。そしてスポーティーな走りを実現する。

BMWが新たに手がけた8シリーズが日本に入ってきた。

BMW M850i xDriveクーペは、4.4リッターV型8気筒エンジンにフルタイム4WDシステムの組み合わせだ。最高出力は390kW(530ps)、最大トルクにいたっては750Nmもある。大パワーのために四つのタイヤを駆動するのがBMWの流儀で、同社のスポーツセダン、M5もフルタイム4WD搭載だ。

それだけ聞くと、8シリーズはサーキット走行が好きな、限られた人のためのクルマだと思うかもしれない。その心配は無用だ。秘めたるパワーはすごいが、同時に街中のショッピングを無理なくこなせるフレキシビリティーが身上である。

そもそもスタイルが洗練されているではないか。フロントは左右に広がったキドニーグリルと大きなエアダムでアグレッシブな雰囲気だが、プロファイル(側面の眺め)はすっとリアが伸びたロングテールボディーである。見事にエレガントなのだ。

BMWは野生と知性と品性、このバランスのとり方が超絶に上手なメーカーである。8シリーズも例外ではないと、つくづく思う。

BMWの新型8シリーズと東京クラシッククラブ
BMWの新型8シリーズで訪れたのは、都心から約1時間の千葉市若葉区にある日本初の本物のカントリークラブ「東京クラシッククラブ」。東京クラシック馬主クラブでは、保有する馬を預託し乗馬を楽しむ「自馬預託プログラム」が用意されている。馬場だけでなく、ゴルフコース外周をめぐるホーストレッキングコースも完備されており、非日常を体感することができる。

そもそもBMWは、1970年代初頭の3・0CSや、80年代の6シリーズなど、自動車史に残る大型クーペを続々と世に出してきた。今、コンクールデレガンスなどで人気の高いモデルである。そのヘリテージを8シリーズは受け継いでいるのだ。

高級クーペづくりは、自動車メーカーにとってかなり難しいと言われる。技術力とデザイン力、そしてユーザーのライフスタイルや価値観を理解して初めて市場に受け入れられるからである。

8シリーズで、日本初の本物のカントリークラブ「東京クラシッククラブ」に乗りつけたら、超がつくほど上質な世界に、ジグソーパズルの一片のようにきれいにはまった。

世に高価格で高性能のハイパースポーツカーは多いけれど、エレガンスという点まで話が及ぶと、8シリーズのアドバンテージは大きい。

疾走するBMW
大型のラグジュアリークーペは、もちろん運転も楽しい。高速を走って遠くへ出かけたり、繁華街で“町乗り”したりするのにも最適なクルマだ。静粛性が高いうえ、リラックスしてドライブするのに、適度なスポーティーさを持ち、操作感覚がよくマッチしている。まさにBMWが得意とする一級のグランツーリスモだ。

内装のつくりは(言うまでもなく)上質で、いい上着に袖を通したような気分になるフィット感を連想した。乗員とクルマのいい感じの一体感があるのだ。乗り心地がよく、静粛性も高い。加えて、正確に作動するアダプティブクルーズコントロールなど、運転支援システムが充実しているので、遠出が苦にならない。

出先でうっかり狭い道に迷いこんでしまった時は、リバースアシストが役に立つ。最後の50メートルの軌跡をクルマが常に記憶しているので、停止後、ボタンを押してリバースギアに入れると、自動でクルマが後退してくれるのだ。運転する楽しさに加え、ハイテクでドライバーの負担を取り除いてくれる。

先にジグソーパズルを例に出したが、8シリーズのあるよき生活という〝絵〞を完成させる最後のピースはオーナーと同乗者だ。そうなれる人たちは、まことに幸福だと思う。完成したクルマなのだ。

BMW M850i xDrive Coupe
ボディー:全長4855×全幅1900×全高1345㎜
エンジン:4.4ℓ V型8気筒ツインパワー・ターボ
最高出力:390kW(530ps)/5500rpm
最大トルク:750Nm(76.5kgm)/1800~4600rpm
駆動方式:4WD
トランスミッション:8速AT
価格:17,140,000円~

●BMWカスタマー・インタラクション・センター TEL 0120-269-437

※『Nile’s NILE』2019年5月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています

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What is luxury?

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Questioning this has now become synonymous with confronting the times. We are now witnessing a transformation of values on a global scale.
Sustainable, SDGs, ESG...... these terms are becoming a natural part of our daily lives. Many brands and companies have already begun to take this stance, as individuals and society as a whole are expected to become more aware of the importance of sustainability. In "NILE PORT," we would like to rethink and re-present luxury in the current era, sharing our values with brands and readers who have a progressive awareness.