「液体を加えて、煮詰める。一度液体に具材の風味を引き出し、再度具材に吸わせることで、旨みを凝縮させるのです。これも、フランス料理で定番の技術。もどし汁も凝縮し、格段に風味が高まります」
この後にニンニクと玉ねぎのみじん切りを加えるが、玉ねぎは食感が残る程度の火入れ加減にとどめる。
肉は、豚のバラ肉の挽き肉と、牛のランプ肉を使用。またハンバーグを焼く前、成形したハンバーグの表面をていねいになで、なめらかにするのがポイント。こうすると焼き色が美しくつくとともに、焼いているときの肉汁の流失を防ぎ、完成時の見た目の洗練度がアップする。
ちなみに、豚肉は新潟県十日町のブランド豚「妻有(つまり )ポーク」を使っている。
「妻有ポークは香り良く、口溶けも良い脂が特徴。身のきめ細かさ、味の良さも抜群です」と飯塚氏。そして生椎茸は、新潟県南魚沼市名産の「八色(やいろ)しいたけ」
肉厚と風味の豊かさで知られている。普段から地元で産する上質な素材を発掘し、その魅力を積極的に伝える飯塚氏。そんな飯塚氏らしさも垣間見ることができるハンバーグだ。
ハンバーグ レシピ 1へ続く
飯塚隆太 いいづか・りゅうた
1968年、新潟県生まれ。専門学校卒業後、「第一ホテル東京ベイ」「ホテル ザ マンハッタン」などを経て、94年「タイユバン・ロブション」の部門シェフに就任。97年に渡仏し、「トロワグロ」
「ジャンポール・ジュネ」などで修業。帰国後、ジョエル・ロブション氏の系列店で研鑽を積み、2005年「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」のシェフに就任。11年2月「レストラン リューズ」をオープン。12年版『ミシュランガイド東京』で一つ星、13年版以降は二つ星の評価を得ている。
●リューズ
東京都港区六本木4-2-35 アーバンスタイル六本木三河台 B1F
TEL 03-5770-4236 restaurant-ryuzu.com