奥深きハンバーグの世界4

黒毛和牛を随所に取り入れたコースが人気の割烹「常」。主人の常安孝明氏が紹介してくれるハンバーグは、黒毛和牛を用いた力強い味が特徴。

Photo Masahiro Goda Text Izumi Shibata

黒毛和牛を随所に取り入れたコースが人気の割烹「常」。主人の常安孝明氏が紹介してくれるハンバーグは、黒毛和牛を用いた力強い味が特徴。

焼く際は、牛脂を引いたフライパンを弱火にかけ、片面を3~4分間焼いたら返し、もう片面を同じだけ焼く。この時、アルミ箔をフワリとかぶせて熱を軽くこもらせることで、ふっくらと焼き上げる。そして両面を焼いたら、アルミ箔をかぶせたまま、温かい場所で4分間やすませる。この間に余熱でほどよく中まで火が入りつつ、肉汁も落ち着く。

仕上げの加熱は、炭火。醤油を刷毛でさっとぬってあぶり、香ばしさをまとわせる。
「このプロセスで、肉の旨みが一気に強調されます」

ハンバーグに合わせる大根おろしには、長芋の小角切り、みょうがと大葉のみじん切りを混ぜ合わせ、食感と風味に変化をプラス。また、クレソンの葉とちぎった焼き海苔を混ぜ合わせたシンプルな、それでいて香り高いサラダを合わせる。野菜類にも、牛肉と釣り合う強さを持たせるのがポイントだ。

「今回、改めて自分がどんなハンバーグが好きか考えてみたのですが、やはり和牛100%が好きですね」と常安氏。

「牛100%と合い挽き、それぞれに魅力があります。合い挽きは、牛肉と豚肉が掛け合わさることで、互いを補いながら味が広がるイメージ。一方、牛100%はまさに一直線。つい『もう一口』と食べ進めてしまう引きの強さがあり、そこに魅力を感じます」

上質な牛肉を用い、ふっくら、かつ香ばしく焼き上げた今回のハンバーグ。爽やかで香り豊かな野菜を合わせ、ポン酢ですっきりと食べる。夏に牛肉のおいしさをストレートに楽しむのに最適な一品だ。

ハンバーグ レシピ 4へ続く

常 常安孝明氏

常安孝明 つねやす・たかあき
1983年、岡山県生まれ。「菊乃井」より日本料理のキャリアをスタート。フランスの日本料理店「花輪」を経て、「かんだ」で約7年間、研鑽を積む。2018年4月、東京・西麻布に「常(とわ)」をオープン。『ミシュランガイド東京2020』で一つ星の評価を得た。こだわりの和牛を積極的に取り入れた割烹料理は『ゴ・エ・ミヨ 2020』でも高評価されている。

●常
東京都港区西麻布4-11-25 モダンフォルム西麻布ビルパートIII 2F
TEL 03-6433-5680

1 2
What is luxury?

What is luxury?

Questioning this has now become synonymous with confronting the times. We are now witnessing a transformation of values on a global scale.
Sustainable, SDGs, ESG...... these terms are becoming a natural part of our daily lives. Many brands and companies have already begun to take this stance, as individuals and society as a whole are expected to become more aware of the importance of sustainability. In "NILE PORT," we would like to rethink and re-present luxury in the current era, sharing our values with brands and readers who have a progressive awareness.