東京湾から海風が吹き抜ける新木場へ。ogawaの直営コンセプトストア「GRAND lodge 新木場」を訪問した。店内には大小二つのテント。内部にテーブルやイスを始めとするインテリアがかっこよく設しつらえられ、周囲の多種多彩なアウトドアグッズとともに、キャンプ場然とした空気を生み出す。ショップに足を踏み入れた瞬間、日常を離れて異空間に迷い込んだ気分になる。
「ここではスタッフが、たとえばビギナーの方にはテントの設営・撤収を分かりやすく丁寧にレクチャーしたり、ベテランの方には最新のギアをお勧めするなど、アウトドアライフの楽しみ方を提案しています」
小川テント(当時)に入社して27年、CEOの伊川良雄氏は自らキャンプ地でのイベントに赴くなど、キャンプの魅力を伝えてきた。今も「公私合わせて年間20回はキャンプに出掛ける」とか。フットワークの軽い“キャンパー社長”なのである。
その伊川氏は「ここ数年、キャンプ人気の再燃を実感している」という。
「キャンプのスタイルが多様化してきました。キャンプ人口が1500万人とも言われた1996年ごろのブームのときはファミリーキャンプが主体でしたが、今はソロキャンプをする方や、ペアとか女性だけのグループで遊ぶ方、フジロックのような音楽イベントで楽しむ方などいろいろ。おかげで減少の一途だったキャンプ人口が反転し、1000万人に迫る勢いで伸びています。私たちはもっと多くの人たちにキャンプの楽しさを知っていただけるよう、ここのような直営コンセプトストアや、年初に『GRAND lodge 小平』2階にオープンしたカフェなどを、キャンプテントを始め、アウトドアグッズの情報発信基地にしていきたい。カフェは12月、大阪・八尾市のアリオ1階に2号店をオープンする予定です」
カフェではキャンプ気分を疑似体験できることに加えて、Tボーンステーキやラムチョップ、魚のホイル焼き、ランチのカレー・ガパオライスなど、“キャンプめし”が味わえる。カフェがそのまま「ワイルドにしておいしいキャンプ空間」なのだ。
ところでogawaブランドのテントはどこが優れているのか。最も特徴的なのは、日本の気候に合った造りになっていることだ。雨に対する防水性・撥はっ水すい性が高く、蒸し暑く虫の多い夏でも快適に過ごせるように目の細かなメッシュを多用し、風通しの良さと防虫効果が確保されている。太い糸で織られた幕も、フレームも強度はバッチリ。一番人気のトンネル形の「アポロン」や、設営が簡単な「グロッケ8」、小型の新商品「ティエラリンド」など、商品には全てogawaが百年かけて積み上げてきた、ものづくりの国・日本を象徴する技術が生きている。
キャンプは「一度経験すればはまる」魅力に満ちている。「興味はあるが腰が上がらない」あなた、ogawaのショップ並びにカフェを、キャンプへの本格的な挑戦の入り口にしてはいかがだろう。
●問い合わせ キャンパルジャパン TEL0800-800-7120
※『Nile’s NILE』2019年9月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています