伝統と革新、二つの概念は相いれないように思われる。しかし、スイスを代表するウォッチマニュファクチュール、ジャガー・ルクルトの歴史をひもとくと、革新を積み重ねることが伝統となり、伝統が次なる革新をもたらし、新たな価値を生ための創造性豊かな土壌が形成されてきたことが分かる。
最も顕著な例が、1931年に発表され、メゾンを代表するアイコンとなった「レベルソ」だろう。インド駐在の英国人将校からの要望で、ポロ競技中にケースを反転させて風防ガラスを守るメカニズムの腕時計として開発されたものだ。当時、あまりにも革新的なモデルだったのは言わずもがな。それが、時を経る中で、さまざまなタイプの「レベルソ」が製作され、誕生から90年以上を経た今も、反転するレクタンギュラーケースやアールデコ様式の美質を受け継ぎながら伝統を紡ぎ、静かな進化を続けている。
この秋、オリジナルのデザインコードを受け継ぐ「レベルソ・トリビュート」コレクションのモデル「レベルソ・トリビュート・デュオ・カレンダー」が生まれ変わった。ピンクゴールドモデルは、表ダイヤルにトリプルカレンダーとムーンフェイズ、裏ダイヤルに第2時間帯表示とデイ/ナイト表示という機能性はそのままに、これまでのグレイン仕上げの表ダイヤルに代えて、サンレイダイヤルを採用。控えめなエレガンスが一層際立つ。グレーカラーの裏ダイヤルのデザインも一新し、ソフィスティケートされた、広がりを感じさせる表情となった。
スチールモデルは、これまでのムーンフェイズ&デイト機能に曜日と月表示が加わり、初めてトリプルカレンダー仕様となった。表ダイヤルはグレインオパーリン仕上げとし、時分針とアワーマーカーをブルーからシルバーに変え、トーン・オン・トーンの洗練された雰囲気を醸し出す。ブルーの裏ダイヤルも、ピンクゴールドモデルと同じコンセプトでリデザインされた。
ストラップは、2011年からパートナーシップを結んでいる、アルゼンチンを拠点とする世界的なポロブーツ工房カーサ・ファリアーノ製。ピンクゴールドにはブラウン、スチールにはブルーのカーフをセットし、それぞれ交換可能な同色のキャンバスストラップも付属する。伝統と革新を融合させるスタンスが、新たな魅力を生み出している。
ジャガー・ルクルトの革新性は「メイド・オブ・メーカー」という、国際的なクリエーターやアーティストとのコラボレーションプロジェクトにも見ることができる。新しい表現の形を探求しながら、互いの限界を押し広げようとするものだ。今、ニューヨーク在住のレタリングアーティスト、アレックス・トロシュート氏とのプロジェクトが進んでいる。彼は「レベルソ」が誕生した当時のアールデコスタイルからのインスピレーションにより、ダイナミックで躍動感のあるアルファベットのタイポグラフィーを制作。今後、ジャガー・ルクルトのイベントなどで披露されるほか、「レベルソ」のケースバックにエングレービングできるようになる。
創造性への革新的なチャレンジが伝統と交わり、ジャガー・ルクルトの新たなステージが構築されることに期待しないではいられない。
期間限定で「THE 1931 Café」がオープン
ジャガー・ルクルトのアイコンウォッチ「レベルソ」と同じく1920年代に誕生したアールデコ様式を反映させた「THE 1931 Café」が、11月10日から16日まで六本木ヒルズのヒルズカフェにオープン。アレックス・トロシュート氏と制作したアートインスタレーションとともに、ユニークな体験を楽しみたい。また、11月上旬からはジャガー・ルクルトの公式LINEアカウントにて同氏のフォントを使用したオリジナル壁紙を作ることもできる。
日程 11月10日(木)~ 16日(水)
時間 10:30 ~ 20:00
場所 六本木ヒルズ ヒルズカフェ
※営業時間が急きょ変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
ナイルスナイル会員限定VIPエリアご招待
「THE 1931 Café」のVIPエリアに本誌会員限定10組様をご招待いたします。基本的に着席は特別な方のみ(14日以降は一般公開の可能性あり)となるため、エクスクルーシブな体験をお楽しみいただけます。また、カカオ豆にこだわるチョコレート専門店「マジドゥショコラ」とコラボレーションしたオリジナルショコラのギフトもご用意しています。
日程 11月14日(月)~ 16日(水)10:30 ~ 18:00(各回1時間)
予約方法 お名前(フリガナ)、電話番号、来店希望日をご記載の上、来店希望日時を第3希望までジャガー・ルクルト銀座並木ブティックにメール(jlc.namiki@jaeger-lecoultre.com)してください。担当者から折り返しご連絡いたします。
●ジャガー・ルクルト
TEL: 0120-79-1833 www.jaeger-lecoultre.com