2022年までに達成すべき九つの目標
さてIWCが今日に続く「持続可能性の旅」に出たのは、10年以上前のことだ。と言っても、そもそも同社が製造する時計は、ブランド誕生当初から、ユーザーに大切に愛用されながら、次世代に受け継がれてきた。そのこと一つを取っても、かなり高いレベルで持続可能性を達成している。
しかしIWCは、その地位に安住しない。「素材の調達から製造、販売、流通まで、事業活動のすべてのプロセスで環境への負荷を最小限に抑える努力を惜しまず続ける」との決意も新たに「持続可能性の旅」に出たのだ。「何世代にもわたって長持ちする時計をつくり、責任をもって製品を製造、流通、修理するためのあらゆる要素を継続的に改善していく」ことを、自らの使命と捉えている。
直近の経営課題では、2020年に「22年までに達成すべき九つの目標」が掲げられた。
例えば「時計部品に使用される金やプラチナについては、厳しい自主基準の下、追跡可能な調達を行う」「エネルギーの調達を世界レベルで100%、再生可能エネルギーに切り替える」「Great Place to Work(働きがいのある会社)認証を維持する」「紙、ボール紙、木材、家具など、FSC(森林管理協議会)認証を取得していない林産物の購入を段階的に廃止する」「女性管理職を17年比で倍増させる」など、意欲的な取り組みが推進されている。