奥深きハンバーグの世界 2

リストランテホンダの本多哲也シェフが紹介するのは、牛100%のパティを赤ワインベースのソースとからめてトリュフを利かせた、リストランテらしい一品。

Photo Masahiro Goda Text Izumi Shibata

リストランテホンダの本多哲也シェフが紹介するのは、牛100%のパティを赤ワインベースのソースとからめてトリュフを利かせた、リストランテらしい一品。

この挽き肉に、炒めた玉ねぎ、卵、パン粉を牛乳でふやかしたつなぎなどを加えて生地とするが、今回はそこにトリュフのみじん切りもプラス。生地は成形し、フライパンで表面にしっかりと焼き色をつけながら火を入れ、その後、ソースで軽く煮込んで仕上げる。

このソースは、赤ワインソースをベースに、炒めた玉ねぎとマッシュルーム、トマトソースを加えたもの。特に赤ワインソースは手間と時間をじっくりとかけて作られている。

玉ねぎ、にんじん、セロリを甘みが出るまで炒めたところにたっぷりのポートワインを注ぎ、煮詰める。そこに赤ワインを注ぎ、再度煮詰める。さらにフォン・ド・ヴォーを加え、再々度煮詰めて漉す、という手順だ。ワインをふんだんに用い、煮詰めることで上質な酸味と凝縮感が生まれる。

これとフォン・ド・ヴォーの厚みのある旨さが渾然一体となった味わいが、赤ワインソースの持ち味となる。そして、そこに赤ワインソースとはまた異なる方向の旨みと酸味を持つトマトソースが合わさることで、味の深みと広がりが一気に増す。
「このソースは、店でも出す牛頰肉の煮込みのベースと同じ」と本多氏。旨さは折り紙付きだ。

盛り付けでは、ハンバーグにソースをたっぷりとかけ、目玉焼きをのせ、トリュフを削りかける。「ハンバーグに目玉焼き」という洋食店の懐かしいスタイルでありながら、味は洗練とインパクトのあるリストランテのもの。尾崎牛の上質で力強い香りと旨み、それと十分に釣り合う深みのあるソース、そしてトリュフの香りが混ざり合い、このうえなく贅沢な味わいを作り出す。

ハンバーグ レシピ 2へ続く

リストランテホンダ 本多哲也氏

本多哲也 ほんだ・てつや
1968年、神奈川県生まれ。東京調理師専門学校卒業後、「リストランテ トゥーリオ」などで経験を積み、97年に渡仏・渡伊。イタリアの三つ星レストラン「アンティカ・オステリア・デル・ポンテ本店」などで修業後、99年に帰国。「リストランテホリストランテ アルポルト」にて副料理長を務めた後、2004年に「リストランテホンダ」をオープン。『ミシュランガイド東京』で一つ星の評価を得た。

●リストランテホンダ
東京都港区北青山2-12-35 小島ビル1F
TEL 050-5461-6512 ristorantehonda.jp

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What is luxury?

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